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こんにちは!水口です。
今回は大型リフォーム、いわゆるリノベーション工事の内容をご報告させていただきます。
失礼な話ですが、初めて現調に来たときは正直ここに人が住んでいるとは思いませんでした。
お施主さんは、この地域を離れたくないご高齢のご家族と一緒に住む為、ご実家のリフォームをしようとお考えになられたそうです。
写真のとおり、現場調査するにも敷地内に車を停めることすら難しい状態です。
ほか、害虫(スズメバチ)の大きな巣があり、容易に立ち入ることができませんでした。
庭だったと思われる鬱蒼とした樹木と納屋等は解体して排除すれば、それなりになるとは思います。
ですが、長い間メンテナンスされていない屋根は雨漏りしており、建物本体は崩壊寸前でした。
土壁も濡れたまま放置されていた部分が多くあったり、シロアリによる激しい浸食があったりと、正直工事は厳しいと思いました。
ですが、この家を再生させるには今しかないとお施主さんも考えられたのだと思います。そうなれば我々ライファ今治も勇み立つしかありません!
勢いに乗って「ふるさと転生リノベ(笑)」を開始をいたしました!
害虫が飛び回る中ではさすがに危ういので、まずは害虫駆除から開始です。
スズメバチを巣ごと捕獲し、安全が確保できましたので重機を投入し、ジャングルを撤去しました。
石を除け、樹木を切り倒し、根っこから引き抜くなかなか大掛かりな作業です。
職人さんも汗をダラダラかきながら働いてくれていました。感謝です!
だいぶ家の輪郭が見えてきましたね。
(⌒∇⌒)さあ、休憩したらもういっちょ、やりましょ!
敷地内には母屋の他にも立派な納屋があり、古い家財がたくさん詰め込まれていました。
納屋の中の物をとにかく外に出して、人が入れるスペースを確保します。
あっ、なんとなく床が見えてきましたよ。
何十年にもわたり、たまりにたまった埃と一緒に空気が通り抜け始めました。
ゴミを分別し、解体や処分をしていきました。
分別は人の手で、解体は重機で、手分けして工事します。
不要なものは掻き出して、さらにまた分別です。
大部分の樹木と納屋の撤去も終わりに近づいてきました。
どうですか?だいぶさっぱりしてきたと思いませんか?
納屋の解体後も真砂土(まさつち・まさど)を入れて整地していきます。
これで終わりではなく、これでやっとリノベーション工事が始めれるんですよね。
これからがスタートです(⌒∇⌒)
それでは、住宅内部に行きますね。改めて見ても本当に大きなお家です。
玄関に入ると、斜めに構えた広々とした廊下があり、奥には収納があります。
上がり框が斜めになることで、写真右側にある玄関から進入しやすいのと間口が広く見える効果がありますね。(この辺りはそのまま利用したいですね)
南側に面した広縁の掃き出し窓からたくさんの光が通り、写真左側の和室に光が届くように造られていました。
ここで一旦外に出ましょう!
〈 玄関廊下(広縁)直上の屋根です。↑ スレート瓦と板金葺きだが、もう塗装ではどうにもならない程傷んでいました( ;∀;) 〉
リフォーム開始前から見えていた玄関廊下(広縁)の上の屋根は、板金葺きでサビが激しく、異様な雰囲気です。
この劣化している屋根から室内に雨漏りがあったので、まずはここを最優先で工事していく必要があります。どんなに中身をキレイにしても、雨漏りしたら台無しになりますからね。
〈 雨漏りの跡もあったので天井を解体しました。むやみに壊しているわけではないですよ。<(`^´)> きれいになったでしょ?(⌒∇⌒) 〉
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続いて隣の和室です~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
隣の和室は二間続きで床の間、仏間、押し入れもあり、客間としても使える空間です。
時には襖を外して、広い空間にできます。
昔は冠婚葬祭、盆や正月、地方祭の時には地元の方や親戚の集まりが自宅でありましたよね。
ですが、時代の流れとともにその機会は少なくなりました。二間続きの和室の必要性が一般家庭では必要なくなり、しかもここ近年の住宅は畳離れの傾向にあります。
しかし親御さんは以前から畳の部屋で過ごされていたということもあり、
「リフォーム後もご自分の居室は畳にしたい」とのご要望から、奥の6畳間を親御さんの居室として利用し、手前の床の間のある8畳間を客室として使うようにしました。
ガラス格子の建具と欄間は既存のまま残し、和の雰囲気を大切にしました。明るくなりましたね(⌒∇⌒)
伝統的な床の間がありましたが、スペースの活用をご希望だったので略式の和室にしました。神棚、床の間、仏間、収納、エアコンスペースがあります。
必要に応じて大きく部屋を広げられる機能を損なうことなく改修できたのではないかと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続いて台所ですね~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
台所は出窓のある8畳間で、組み合わせ自由のブロックキッチンが設置されていました。
ブロックキッチンというのは、①流し台 ②調理台 ③ガス台のように区分けされた①②③のブロックを組み合わせるキッチンです。ブロックキッチンは運搬が容易ですが、天板につなぎ目があるのが特徴です。今のシステムキッチンとは見た目も使い勝手も違います。
壁は白いタイル張りで、いかにも昭和の台所といった感じです。
西側の窓に面しており、毎日夕方の日差しと向き合ってお料理をされていたのでしょうね。ただ、多分まぶしくて暑かったと思います。
今回は僅かではありますが、間取りの変更もあるのでとりあえず解体していきましょう。
台所と居間を繋いで、広々としたLDKに統合していきます。
キッチンを撤去すると壁からコンクリートブロックがむき出しです。
この時代の建物のあるあるなんですが、土壁よりブロックの方が腐らないし、水に強いという利点から水廻りの壁はコンクリートブロックで造られる事が多かったです。
ただし当たり前ですが断熱材が入っているはずも無く、寒くて暑い台所です。しかしこれからは年中通して快適なLDKに変えていく必要がありますよね。
天井を剝がしたら立派な梁が出てきました。
住まわれる方の好みにもよりますが、既存の天井を剥がすことにより天井高を今よりも高くとり、開放的な空間にもできます。
一方、他の部屋と天井高を合わせて、すっきりとした空間に仕上げることもできます。もちろん低くすることもできますが、今回はナシで。(⌒∇⌒)
天井高は熱効率や空調、照明の照らし方等、色々な考え方があるので、お施主さんと現地で打ち合わせしていきました。
お施主さんは梁を見せる選択をし、天井部分の空間を広げる事にしました。
この写真のような屋根の傾斜に合わせた天井造りを「勾配天井」といいます。
天井高を高くする事は良い事ばかりではないので、こちらが持っている知識を元にお施主さんの空間に対する考え方を聞くことが大切だと思います。何事も相談ですよね~。
ほか、欠損した天井や土壁に断熱材を貼っていきます。断熱材で外気熱を遮断します。快適さを損なわないように時代に沿った改修に努めれたと思います。
キッチンのあった西側の壁(ブロック壁)を撤去して断熱材が入るようにします。その為には無かったものを足さなくてはいけません。
コンクリート基礎を立ち上げ、アンカーボルトを入れ、土台(木材)を設置しました。
柱を支える土台を基礎と繋ぎ、新しい柱と断熱効果の高い窓を入れました。
床も断熱を入れてますので底冷えも対策済みです。(⌒∇⌒)
柱と柱の間には断熱材を入れることができるようになりました。
それだけではなく、開口部(窓)を小さくすることで、耐力壁を設けて建物の強度を上げました。構造計算した配置に固定金物とコンパネを設置し壁を強くしました。
この建物に関しては1,2階合わせて全部で27ヶ所の壁に耐震補強をしていきました。うわっ面だけの改修工事では命は守れませんからね。(⌒∇⌒)
下地や耐震補強ができたら、石膏ボードを貼っていきます。そのあとはビニルクロス仕上げていきました。土壁だった和の台所が開放感のある今っぽいLDKに生まれ変わりました。(⌒∇⌒)
今までは西日に向かって料理していたと思いますが、キッチンの配置を北側に変え、厳しい日差しを遮る事が出来ました。
さらに壁の断熱性能を向上させ、耐震にも考慮した構造に造り変えました。
~~~~~~~~~~~~~~~お風呂場の解体もしました。ここが一番の鬼門でしたね~~~~~~~~~~~
浴室壁はコンクリートブロック造りで屋根部分もスラブ(コンクリート)で造っていました。先程のキッチンの話からすると水廻りだから安心じゃない?と思うかもしれません。
ですが、納め方を間違えると大変なことになるのです。現状、ブロックと木造部分の接合部で腐食が起こっていました。
接合部では雨が入り込みやすく、しかも溜まりやすくなっていたのでしょうね。
湿気がたまり、カビや腐れが起こりやすくなると、住宅の大敵の一つ「シロアリ」も床からドアの上部まで駆け上がってくるのです。
〈 風呂場の外観 〉
お風呂場にかかる3段になった屋根(上からスレート瓦 + 板金葺き + スラブ屋根で、各所に隙間があります)
板金屋根と浴室屋根の隙間はモルタルで埋めていました。防水層がはがれたモルタルは水を吸い、木は腐ります。穴が空いてます。
浴室は後から増築したのでしょうね。スラブの屋根に板金屋根がめり込んでいますね。これでは水が隙間から入り込んでしまいます。
先ほどの屋根の隙間から水が流れ込み、シロアリを呼び込んでいました。
右の白い四角形が浴室屋根です。好ましくない増築方法と屋根勾配がないのが水の溜まる原因なのかと思います。
とにかくこの不具合を改修することが必要です。スラブの屋根にウレタンなどで防水処理を考えましたが、それではうわっ面だけの改修にすぎません・・・。
シロアリの駆除後、浴室周辺の雨漏りを根治するには何が必要なのか悩みました。
職人さん達と相談した結果、屋根の形状を少しだけ変えることにしました。スラブの屋根を覆うように板金屋根部分を延長することにしたのです。
スラブ屋根の赤い車線部分は庇にあたる部分です。そのままだと浴室の屋根を覆いつくせないので撤去しました。青い線の範囲を新しい屋根にします。
スラブ屋根を濡らさないように屋根を造り変える。水のたまる場所を造らないという結論に達しました。上部は勾配を付け、ルーフィングを敷きました。仕上げは板金でやっていきます。
そして、できたのがこちらです。瓦屋根と板金葺きの屋根(緑)の2段になり、スラブの屋根は見えなくなりました。
他の屋根も劣化したスレート瓦から軽量防災瓦に葺き替えます。
LDKから天井を見上げています。これを見たら驚くかもしれませんが、屋根の下地材はバラ板で隙間だらけです。ルーフィングをしっかりしたのでもう安心です。
瓦桟(木)を敷いてから瓦を葺いていきます。スカスカしたスレート瓦から光沢のある三州瓦になりました。
違う方向からですが、できたのがこれです!
「そのまま残したい」「再利用したい」というのは新築にはできない部分なので、そのあたりが実家リフォームや中古物件リフォームの面白さだと思います。
今回のリノベーションは内装や外観の見た目だけではなく、畳の生活や地域祭や風習等の親世代の生活も考慮しながら新しい世代の生活スタイルを組み込んでみました。
建物にもよりますが、住宅の再生は「耐震」と「雨漏り対策」と「ライフライン(水道と電気とガス)」が最優先かと思います。それらが達成できたならば、「断熱」や「設備」の居住性能を上げる工事をして、最後に内装工事という流れで工事していくと良いかと思います。(⌒∇⌒)
優先順位を間違えると工事をやり直したり、すぐに傷んだり、無駄な費用が掛かる恐れがあります。ですから「なぜ工事したいのか?」という理由はすごく大切な事で、その理由次第で我々のアドバイスや設計も変わってきます。お客さんがなぜ頼ってきてくださったのか?何を求めているのか?を教えていただくことで、こちらも優先順位を考えてご提案できるのです。
たまに「ざっくりでいいんやけど一部屋工事するのにいくら掛かりますか?」と聞かれる方がいます。
ただの好奇心なのか、本格的に動くのが不安なのかは分かりませんが、何も見ずに見積もりできる方がいたら教えてください(⌒∇⌒)
病院に例えると「癌の治療ざっくりいくら掛かる?」という相談を医者にしている感じです。それが癌かどうかもわからない状態で、部位、ステージ、既往歴の確認、治療方針も決まらないうちに難しくないでしょうか?
我々は住宅のお医者さんですから似たような感じかもしれませんね。プロセスも似ているかもしれません。
・病院なら受診理由を聞きます(問診) → 血液検査やCTやMRIを使ったり触診等の検査をします。(体を調べます(有料)) → 診断結果が出ます → 治療方針を決めます → 治療に移行します
・我々も来店理由を聞きます(問診) → お家を見ます。必要なら耐震の診断します(見積りと診断(一部有料)) → 診断結果と見積りの説明します → 工事の範囲決めます → 工事します
この流れって普通ですよね?
適切なプロセスも無く、適切な診断と見積りは無いのかと思います。
人も住宅も十人十色だと思います。住宅に対する興味やお悩みがございましたらいつでもご連絡ください。(⌒∇⌒)
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