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タイル貼りの住宅外壁における工法について
近藤 純二

現場日記

2020.02.25

木造住宅における外壁材には色々な種類がありますが、そんな中で人気の高いものにタイルがあります。しかしながら、コスト面や工期が長くかかる工法面で敬遠されることも多いようです。そうした課題を解消しようと最近ではタイルを接着剤で貼る工法が普及してきました。INAXの「はるかべ工法」といいますが、今回はこの工法がいかに優れているかを説明します。
従来のタイルは、バラ板の上に防水紙を貼りその上にラス網を打ち付け、更にその上にモルタル塗って下地を作っていました。モルタルとはセメントに水を混ぜたものですが水分が乾燥するまで期間をおかなければいけません。こうした工程の煩雑さと長さがコスト増になって住宅外壁にタイルを使うことを阻害する要因の一つになっていました。それに比べてこのはるかべ工法は貼り付け材に接着剤を使用するので水は一切使わないし、養生の期間がいらないので工期短縮になりその分コストを削減する事ができます。

外壁 タイル

そして最大の特徴は弾力性のある接着剤で貼るので、建物の揺れによる下地の動きにも追随し、接着力も強いので剝離をする事がほとんどないということです。
それ以外の特徴としては、モルタル施工の場合は剝離防止のための目地詰めが必要ですがはるかべ工法では、大抵の場合その必要はありません。このため、深目地で陰影感のある壁面に仕上り、焼き物であるタイルの良さが一層引き出せます。

外壁 タイル

このようにはるかべ工法の普及により、最近では住宅の外壁にタイルを使われることが多くなっているのです。